仕事や家事、子育てなどで日々忙しい生活を送る中でも、夜は睡眠を十分にとりたいですよね。
快適な夜を過ごすうえでおすすめなのが羽毛布団です。
羽毛布団といっても安いものから高いものまで幅広く売られていて、どれを買えばいいかわからないという方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、羽毛布団の魅力から値段の違い、さらには失敗しない選び方までまるごと解説しますので、羽毛布団の購入を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
記事の目次
羽毛布団の魅力とは
羽毛布団は通常の綿布団に比べると高価ですが、そのぶん綿布団にはない魅力がたくさんあります。
羽毛布団を購入する前に、まずはその魅力を知っておきましょう。
保温性に優れている
保温性の高さは羽毛布団の最大の魅力です。
羽毛は寒くなると膨らんで空気をたくさん含むようになるため、布団の中の熱が逃げるのを防ぐことができます。
また、羽毛布団は体にフィットするため首や肩周りの隙間ができにくく、保温効果がより高まるのです。
吸湿性・透湿性が高い
吸湿性・透湿性の高さも羽毛布団の大きな魅力でしょう。
睡眠中には気づかないうちに大量に汗をかいているというのをご存知でしょうか。
羽毛布団であれば吸湿性が高いため、そんな寝汗によるベタつきを防ぐことができます。
また、透湿性にも優れており、寝汗を外に逃がして布団内の湿度を一定に保ってくれるのです。
寝汗による不快感を解消するだけで、睡眠の快適さがぐっとアップするはずです。
軽くて掛け心地が良い
羽毛布団の魅力として羽毛布団の軽さと掛け心地の良さも外せません。
羽毛布団はとにかくふんわり軽いので、掛けたときの心地良さが綿布団とは違います。
掛け布団が重いと、掛けたときに体を圧迫してしまったり寝返りを打ちにくくなるため、快適な睡眠を妨げる原因となるのです。
快適な睡眠で日頃の疲れを癒やすためにも、掛け布団の軽さにも着目してみましょう。
丈夫で長持ち
あまり知られていないかもしれませんが、羽毛布団は丈夫で長持ちするのです。
羽毛布団の寿命は通常10〜15年程度と十分に長いのですが、日頃からお手入れをしていれば、30年近く使い続けることもできます。
お手入れといっても月に1〜2回、日中に片面1時間ずつ天日干しするだけですし綿布団のように頻繁に干す必要はありませんし、丸洗いもできちゃうのでとっても簡単。
その他の布団の寿命が5年程度であることを考えると、羽毛布団は長く使い続けることができるため、長期的に見ればコスパも良いと言えるでしょう。
羽毛布団の種類
羽毛布団といっても羽毛の量や掛け布団の厚さによって4種類に分けられます。
それぞれの特徴を解説しますので、ぜひ自分に合った種類のものを検討してみてください。
本掛け
本掛け布団は、羽毛布団の中で最も厚みがあり、羽毛がたっぷり入った掛け布団です。
羽毛の充填量が多いため保温力が非常に高く、冬場に大活躍します。
厚いぶん収納時に多少かさばりますが、その温かさで寒い夜でも心地よい睡眠を促してくれるでしょう。
寒がりな方や真冬の寒い夜をとにかく快適に過ごしたいという方におすすめです。
合掛け
合掛け布団は、本掛け羽毛布団より薄く、羽毛の量が少しだけ少ない掛け布団です。
羽毛の量が少ないぶん保温性はやや劣りますが、寒暖差が大きい春や秋の温度調節に使えば、いつでも快適に睡眠をとれること間違いなしでしょう。
毛布と合わせて暖かさを調節したい、掛け布団をできるだけ軽くしたいという方にはおすすめです。
肌掛け
肌掛け布団はダウンケットとも呼ばれ、羽毛布団の中で最も薄くて羽毛量が少ない掛け布団です。
羽毛の量が少ないですが、保温性や吸湿性といった羽毛布団の特長を程よく持ち合わせています。
そのため、冬に暖かくするというよりは、寝汗をかきやすかったり冷房により体が冷えやすい夏に大活躍するでしょう。
夏場にタオルケット1枚では少し体が冷えるという方におすすめです。
2枚合わせ
2枚合わせ布団は、合掛けと肌掛けの羽毛布団が2枚組になった掛け布団です。
季節に合わせて組み合わせを変えることでオールシーズン快適な睡眠をとることができるのは嬉しいですよね。
夏は肌掛け布団のみ、春秋は合掛け布団のみ、冬は2枚を組み合わせて使用するのがよいでしょう。
1年を通して使えるため、収納スペースを最小限に抑えたいという方にはおすすめです。
羽毛布団の値段の違い
羽毛布団といってもその値段は3万円以下のものから10万円を超えるものまで様々です。
なぜこんなにも値段に違いが生まれるのでしょうか。
ここでは羽毛布団の値段を左右する要素を解説します。
側生地の素材が違う
羽毛布団の値段に影響する要素として、まずは側生地の素材が挙げられます。
3万円以下の安い布団の場合、側生地の素材として綿よりもポリエステルが多く含まれているものがほとんどですが、3万円以上になると、側生地の素材が綿100%になってきます。
ポリエステルは吸湿性がないため、羽毛布団の魅力を活かすなら素材として綿が使われている方が良いですよね。
側生地のキルトが違う
側生地のキルトも羽毛布団の値段に大きく影響します。
キルトとは縫い合わせのことで、キルトパターンによって保温性が変わってくるのです。
3万円以下の安い布団のほとんどは生地の表面と裏面の間をマチで仕切る立体キルトですが、実際には立体キルトでも十分な温かさを保つことができるでしょう。
3万円以上になると、生地の表面と裏面の間に水平の仕切りを入れて上下で互い違いになるように縫っていく二層式キルトのものが増えてきます。
二層式キルトはより保温性に優れているおりため、職人さんの手間隙かけて作った手間隙かけて縫い合わせていることを考えると、そのぶん値段が高くなるのも納得できますよね。
羽毛の品質(ランク付け)が違う
羽毛布団の値段に影響する要素として絶対に外せないのが羽毛の品質。
3万円以下の安い布団ではダックの羽毛を使っていることがほとんどですが、3万円以上になるとグースの羽毛を使っているものが増えてきます。
グースはダックより羽毛が大きくなっており保温性も優れているため、そのぶん値段も高くなるというわけです。
また、日本羽毛製品協同組合は羽毛布団の品質を以下の4つのランクにわけており、値段によってこれらのランク付けも変わります。
1位:プレミアムゴールドラベル
2位:ロイヤルゴールドラベル
3位:エクセルゴールドラベル
4位:ニューゴールドラベル
(参照:日本羽毛製品協同組合公式HP https://www.nichiukyo.org/quality/about_goldlabel/#gl-pr)
羽毛布団を選ぶポイント:値段の違いを考慮しよう
ここまで羽毛布団の値段の違いの理由を解説してきましたが、自分に合った羽毛布団を実際に選ぶ際にどこに着目したらよいか曖昧な方もいるかもしれません。
そんな方のために、羽毛布団を選ぶ際に着目すべきポイントを価格帯別に解説しますので、実際に購入する際の参考にしてみてください。
ポイント①側生地素材
側生地素材は羽毛布団の吸湿性に影響する重要な要素です。
側生地素材の選び方を間違えると寝苦しくなり、羽毛布団の魅力が台無しになってしまうので慎重に選ぶようにしましょう。
安い羽毛布団(3万円以下)の場合
先に述べたとおり、この価格帯で綿100%の羽毛布団はほとんどありませんが、できる限り綿の比率が高いものを選ぶことを心掛けてください。
羽毛布団の魅力を活かすためにも、この価格帯では側生地素材よりも羽毛の質にこだわったほうがよいでしょう。
中級の羽毛布団(3〜10万円)の場合
この価格帯から側生地素材の選択肢が広がってきます。
綿100%の素材やテンセルなどのレーヨン系の素材を側生地に使用した羽毛布団があります。
レーヨン系の素材は吸湿性や肌触りは綿よりも優れていますが、デリケートな素材なので取り扱いには注意が必要です
高級羽毛布団(10万円以上)の場合
高級なシルク素材だったり、ゴアテックスという特殊な生地を使用しているものが選択肢として出てきます。
シルク素材は肌触りがよく、快適に睡眠をとることができますが、耐久性が低いのが難点です。
長期間使い続けることを考えて、ゴアテックスや綿100%の上ランクのものを選ぶようにしましょう。
ポイント②羽毛の種類
羽毛布団の最大の魅力である保温性のキーとなるのが羽毛の種類です。
価格が上がれば羽毛も高級になりますが、低価格でも保温性の優れた羽毛を使った羽毛布団を十分に見つけることができます。
安い羽毛布団(3万円以下)の場合
1万円程度の羽毛布団だとダックが使われていますが、2万円以上になるとグースが使われているものを見つけることができます。
グースはダックよりも羽毛が大きく保温性に優れているため、安さだけにこだわらないのであればグースを選ぶことをおすすめします。
また、ダックの羽毛はやや臭いが気になるかもしれませんので、臭いに敏感な方にとってはグースを選んだほうが安心でしょう。
中級の羽毛布団(3〜10万円)の場合
この価格帯になるとダックとグースの品質が高くなってくるため、ダックであっても十分な保温性が期待できます。
先に述べたとおり、臭いに敏感な方はグースを使った羽毛布団を選ぶようにしましょう。
また、グースを長期間掛けて育てたマザーグースが使われることもあります。
マザーグースの羽毛は軽くてボリュームがありグースより高性能ですので、予算との兼ね合いで検討してみるのもよいかもしれません。
高級羽毛布団(10万円以上)の場合
このクラスになってくると、羽毛を徹底的に洗浄しており臭いの心配もいらないため、ダックとグースのどちらを選んでも快適な夜を過ごすことができるでしょう。
なかでも数十万から数百万円するような高級羽毛布団では、希少価値の高いアイダーダックの羽毛が使われていることもあります。
アイダーダックの羽毛は軽さと保温性が圧倒的に優れているため、羽毛布団にとことんこだわりたいという方はアイダーダックに目を向けてみてはいかがでしょうか。
ポイント③ダウンパワー
ダウンパワーとは羽毛1gあたりの体積のことで、羽毛の膨らみを示す指標になります。
ダウンパワーが大きければ大きいほど、より多くの空気を取り込むことができるため、保温性が高い高品質の羽毛として考えてよいでしょう。
安い羽毛布団(3万円以下)の場合
ダウンパワーは最低でも350以上、できれば400に近いものを選ぶことをおすすめします。
この数値が350以下になると、羽毛布団の保温性が十分に発揮できない可能性が懸念されます。
この価格帯でも、ダウンパワー400程度のものは見つけることができるので、ぜひ探してみてください。
ラベルでいうとロイヤルゴールドラベルのランクのものを選べれば上出来です。
中級の羽毛布団(3〜10万円)の場合
この価格帯のものを選ぶなら、最低でもダウンパワーは400以上のものを選ぶようにしましょう。
側生地や羽毛の質も良くなってくるため、ダウンパワーが400を超えると冬でも十分に暖かくして寝ることができます。
ラベルでいうと最低でもロイヤルゴールドラベルのランクのものを選ぶことを意識するとよいでしょう。
高級羽毛布団(10万円以上)の場合
このクラスの羽毛布団を買うなら、ダウンパワーが440以上のものを選んでください。
最高級羽毛布団の中にはダウンパワーが460なんていうものまで存在します。
ラベルでいうと最も高いロイヤルゴールドラベルのランクのものを選ぶことが必須になってきます。
ダウンパワーが440を超えてくると抜群の弾力と保温性が期待でき、ぐっすり眠ることができるでしょう。
ポイント④ダウン率
ダウン率とは、羽毛布団に充填されている羽毛(ダウン)と羽根(フェザー)の割合です。
ダウンの保温性はフェザーの保温性に比べて優れているため、ダウンが多く含まれているほど、羽毛布団の良さを発揮することができるのです。
安い羽毛布団(3万円以下)の場合
低価格帯ですと、ダウン率はピンキリになってきます。
羽毛布団だと思って購入したらダウン率50%未満の羽根布団だったなんてこともあるかもしれません。
ダウン率が80%未満だと羽毛布団の良さはほとんど感じられないため、最低でもダウン率が80%以上のものを選ぶようにしましょう。
中級の羽毛布団(3〜10万円)の場合
ダウン率が90%を超えるかどうかで心地良さが大きく変わってくるため、最低でもダウン率が90%のものを選ぶようにしましょう。
ダウン率が90%を超えてくるとフェザーの感触はほとんどなくなります。
ただし、家庭用品品質表示法でダウン率には±5%の許容誤差が認められているため、可能であればダウン率93%以上のものを選ぶと安心でしょう。
高級羽毛布団(10万円以上)の場合
どんなに高級でもダウンだけを選別するというのは不可能であるため、ダウン率が100%になることはありません。
このクラスの羽毛布団であれば、最低でもダウン率が93%を超えるものを選びたいところです。
しかし、許容誤差について判断できないため、信頼できるブランドの羽毛布団を選ぶことをおすすめします。
羽毛布団の購入場所によっても値段の違いはある
羽毛布団の作りや品質によって値段が変わってくることを解説しましたが、購入場所によって値段が変わることもあります。
それぞれの購入場所にメリット・デメリットがありますので、自分に合った場所で購入するようにしましょう。
ネット通販
まず便利な購入方法として思いつくのはネット通販です。
ネット通販で購入するメリットとしてすぐに思いつくのは、自宅まで運ぶ必要がないことでしょう。
羽毛布団はかさばるため、店舗で購入して一人で運ぶとなると手間がかかることは容易に想像できますよね。
また、自宅で詳細な情報を見ながら、じっくり比較検討できるのもネット通販の嬉しいポイントです。
一方で、デメリットは、実物を見ることなく購入するため、届いた実物がイメージと違っている可能性があることです。
そんなことが起こらないよう、ネット通販を利用する場合には、レビューや情報をしっかりと確認するようにしましょう。
量販店
実物を見てから購入したいという方にとって、ニトリなどの量販店で購入するというのもおすすめの方法になります。
量販店で購入するメリットは、ある程度の品質が担保された羽毛布団を低価格で購入できることです。
また、お得なセット販売を行っていることも多く、羽毛布団とともに必要な寝具を割安で揃えることもできるのは嬉しいですよね。
一方で、デメリットは、ネット通販に比べて品揃えが乏しいことです。
量販店でもある程度の品揃えはありますが、ネット通販でしか購入できない羽毛布団もあるのが現実なのです。
寝具専門店
品質が高い羽毛布団を慎重に購入したいという方は、寝具専門店で購入するのがよいでしょう。
寝具専門店で購入するメリットは、なんといっても販売している羽毛布団の品質が高いことです。
店員さんもプロが揃っているため、購入する際に店員さんに相談することで、本当に自分に合った羽毛布団を選ぶことができるはずです。
また、アフターケアのサービスを行っている店舗で購入すれば購入後も安心ですよね。
一方、デメリットとしては、高品質なぶん価格が高いことが挙げられます。
しかし、羽毛布団は長期間使い続けることができるため、快適な夜を過ごすことを考えると、決して悪い買い物にはならないでしょう。
まとめ:羽毛布団の値段の違いを考慮して購入しよう
今回、羽毛布団の魅力から値段の違い、さらには失敗しない選び方までまるごと解説しました。
羽毛布団を購入する際には、値段の違いを考慮して自分に合ったものを選ぶことが大切です。
普段使っている布団を少し高級な羽毛布団に変えるだけで、温かさや寝心地がぐっとアップするはずです。
ぜひ本記事を参考に自分に合った羽毛布団を購入して、快適な睡眠で疲れを癒やしてはいかがでしょうか。