あなたは人間関係でストレスを感じやすいほうですか?
ストレスを感じない人はいませんし、生きていく上でもストレスは不可欠なものでもあります。
私はストレスを割と感じやすいほうだと自分で思っています。
ストレスと言っても、体が受けるストレスや、心が受けるストレス、様々なものがあります。
その中でも悩みが尽きない、人間関係におけるストレスを軽くすることができる心理学をご紹介します。

周りの人に対してストレスを感じる行動
私は、人に対していつでも丁寧で謙虚で接する人になりたいという思いがあるため、自分と関わる相手にも、同じようなものを求めてしまうことがよくあります。
お礼を言わないとか、あいさつをしないとか、つんけんした態度をとるなど、そういったことをする人に会うと、「なんでそんな接し方をするの?」と思ってしまいます。
周りの人の行動で、自分がストレスを感じてしまう例をいくつか挙げてみます。
知り合いの行動
- あいさつをしたのに、目も合わせずにとても素っ気ない返事をされた
- メールを既読無視されている
- いつも仕事を手伝ってくれるのに、今日は手伝ってくれない
知らない人の行動
- 車で真っすぐ走っていたら、横から急に猛スピードで出てくる車がいた
- 優先席の前で杖をついて辛そうに立ってる高齢の方がいるのに、若い人が黙って座っている
どの場合でも、ものすごくストレスがかかる訳ではないですが、あまりいい気分がしないことだと思います。
「なんで笑顔であいさつしてくれないの?嫌な奴!」「メール読んだなら返信しろよ!あいつ適当だなあ。」「なんで仕事手伝ってくれないの?意地悪!」と知り合いに対して思うかもしれません。
知らない人にも、「急に出てきて、危ない奴だなあ、気をつけろよ!」「おばあさんが立ってるんだから、若いお前は図々しく座ってないで席をゆずれよ。」と思うかもしれません。
これらの反応の例に共通する点は、その人がとった行動から、その人の性格をこちらが判断してしまっていることです。
どういうことかと言うと、「笑顔であいさつしてくれない人は嫌な人」「メールを返信しない人は適当な人」「年配の方に優先席をゆずらないのは図々しい人」と判断してしまっているのです。
こう思うと、その人に対してストレスを感じてしまいます。
特にモラルや社会規範に厳しい人は、「こうあるべき」といった理想が高いために、よりストレスを強く感じてしまう可能性があります。
ストレスを軽くする心理学
できることなら周りの人に対してストレスを感じずにいたいものです。
気にしないようにしても気になる人は多いと思います。
この心理学は、ちょっとしたものの考え方を変えて、ストレスを軽くする方法として役に立ちます。
その心理学というのが、根本的な帰属の誤りというものです。
根本的な帰属の誤り
根本的な帰属の誤り(こんぽんてきなきぞくのあやまり、英: Fundamental attribution error)は、個人の行動を説明するにあたって、気質的または個性的な面を重視しすぎて、状況的な面を軽視しすぎる傾向を言う。対応バイアス(たいおうバイアス、英: Correspondence bias)とも。すなわち、人間は人の行動を根拠なくその人の「種類」によって決定されていると見る傾向があり、社会的かつ状況的な影響を軽視する傾向がある。
(引用サイト:wikipedia )
ちょっとわかりにくいかもしれませんが、先ほどの例で説明します。
笑顔であいさつをしてくれなかった人に出会い、嫌な人と判断しましたが、それはその人の気質的または個性的な面を重視してしまっています。社会的かつ状況的な影響を軽視しているとも言えます。
笑顔であいさつをしてくれなかったその人は、体調がすぐれなかったのかもしれません。心配事が頭から離れなかったかもしれません。もしかしたら昨日家族が倒れたのかもしれません。
それはすれ違ってあいさつしただけではわからない部分ですが、人間が置かれている状況というものに、全く同じものはありません。100%その人の状況を把握することはできないのです。
どのように実践で使うか
ではこの心理学がどのように人間関係のストレスを軽くするため使うのかと言うと、状況的な面を軽視せず、むしろ重要視して考えてみることです。
あいさつをしてくれなかった人と出会った時、まずその人の置かれている状況を考えてみます。
- パッと見で体調は悪くないか
- 今日の気候はどうか、雨が降っているか
- 何をしているところか(仕事に行く途中なら元気ないかもしれない)
あいさつをすることがどうしても気が進まない、むしろあいさつどころじゃないという状況に置かれている可能性もあります。
知らない人の場合だと判断する材料が少ないため難しいですが、知り合いの場合だと、
- あの人今日から5日連続勤務の始まりだな
- お義母さんが入院して、お見舞いとか家のこととかかなり大変って言ってたな
- 今日は仕事の予定が山盛りで忙しい日になりそうだな
など、その人の置かれている状況がわかっていることがあり、判断しやすいこともあります。
ただ、どちらも今の時点では推測に過ぎないので、決めつけてはいけません。
あくまで、「こういう可能性がある」というところまでにとどめておく必要があります。
私の使い方
私がよく使う場面は、運転中です。高速道路の追い越し車線を運転していて、後ろから猛スピードで来た車が何度もパッシングをしてきたり、右ウインカーで、「どけよ」と合図をしてきたりすることが時々あります。
今までは、その行動自体あまりマナーがいいものではありませんし、実際に私も嫌な気分になりました。
しかしこの心理学を使って新しいものの見方をしてみました。
「あんなに猛スピードで危ない運転をしているのは、赤ちゃんが産まれるから急いで病院に行かないといけないんだ。」と考えてみました。
そうすると、「それじゃあしょうがないね」と考えることができました。
妻と一緒にそういったことを言い合って、「どこの病院かなあ?」「いやもう産まれてて、急いで会いに行ってるんじゃない?」と冗談を言いながら笑いに変えることができました。
また、物事をプラスに捉えたり、一方向からだけでなく、多方面から考えるようになる練習にもなります。
使い方のおススメ
本当に危ない場面や、どうしても許せない場合にこの心理学を使って無理に気持ちを変えようとしても難しいかもしれません。
また、この考えが万人に共通して役に立つかはわかりません。
ただ、相手の行動に対して、置かれている状況をまず考えてみることで、日頃感じるストレスを軽くすることができるかもしれません。
周りの行動にストレスを感じることが多い人は、この考え方をしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
- 周りの人にストレスを感じたら、相手の置かれている状況をまず考えてみる
- 物事をプラスに捉え、多方面から考える練習になる。